障がい者週間とは国民の間に広く障がい者福祉についての関心と理解を深めるために「障害者基本法」に基づき設けられているものです。
●さまざまな種類の障がい
生まれつき障がいのある人もいれば、病気や事故などにより障がいが生じる人もいます。障がいは多種多様で、同じ障がいでも状態は一人ひとり異なり、外見からは分からない障がいもあります。ここでは代表的な障がいについてご紹介します。
【身体障がいのある方】
身体機能の障がいで、原因によって体のどこに症状が出るかが変わります。視覚障がい、聴覚・平衡機能障がい、音声・言語・そしゃく機能障がい、肢体不自由、内部障がいの種類があり、障がいの種類によって様々な症状があります。
①視覚障がいのある方
全く見えない方と見えづらい方とがいます。見えづらい方の中には、細部がよくわからない、光がまぶしい、暗いところで見えにくい、見える範囲が狭いなどの方がいます。また、特定の色が分かりにくい方もいます。
(主な特徴)
・一人で移動することが困難 ・音声を中心に情報を得ている ・文字の読み書きが困難
(コミュニケーションにおける配慮)
・こちらから声をかける ・指示語は使わない(「こちら」「あちら」「これ」「それ」など) ・点字と音声
②聴覚・言語障がいのある方
全く聞こえない方と聞こえにくい方とがいます。さらに、言語障がいを伴う方とほとんど伴わない方とがいます。また、言語障がいのある方は、その原因によって聴覚障がいを伴う場合があります。
(主な特徴)
・外見からは分かりにくい ・視覚を中心に情報を得ている
・声に出して話せても聞こえているとは限らない ・補聴器をつけても会話が通ずるとは限らない
(コミュニケーションにおける配慮)
・コミュニケーションの方法を確認する(手話、筆談、口話、読話など)
・聞き取りにくい場合は確認する(聞き返したり、紙などに書いてもらうなど)
③肢体不自由のある方
上肢や下肢に切断や機能障がいのある方、立ったり座ったりする姿勢保持が困難な方、脳性マヒの方などがいます。これらの方の中には、立ったり歩行することが困難な方、書類の記入など細かい作業が困難な方、身体にマヒがある方、自分の意思とは関係なく身体が動く不随運動を伴う方などがいます。移動については、杖や義足、車いすなどを使用される方がいます。
(主な特徴)
・移動に制約のある方もいる ・文字の記入が困難な方もいる ・体温調節が困難な方もいる
・話すことが困難な方もいる
(コミュニケーションにおける配慮)
・車いすの方の視線に合わせる ・聞き取りにくい場合は確認する
④内部障がいのある方
内部機能の障がいであり、心臓、じん臓、呼吸器、肝臓、膀胱・直腸、小腸、HIV免疫機能障がいの6種類があります。
(主な特徴)
・外見からは分かりにくい ・疲れやすい ・携帯電話の影響が懸念され方もいる(ペースメーカー)
・タバコの煙が苦しい方もいる ・トイレに不自由されている方もいる(人工肛門、人工ぼうこう)
(コミュニケーションにおける配慮)
・負担をかけない応対を心がける(疲労感がたまり、集中力や根気にかけるなど不便さを抱えている)
【知的障がいのある方】
発達期において脳に何らかの障がいが生じたため、知的な遅れと社会生活へ適応のしにくさがあります。重度の障がいのために同伴者と行動される方もいますが、障がいが軽度の場合には会社で働いている方も大勢います。
(主な特徴)
・複雑な話や抽象的な概念は理解しにくい ・漢字の読み書きや計算が苦手な方もいる
・人にたずねたり、自分の意見を言うのが苦手な方もいる
・ひとつの行動に執着したり、同じ質問を繰り返す方もいる
(コミュニケーションにおける配慮)
・短い文章で「ゆっくり」「ていねいに」「くり返し」説明 ・具体的にわかりやすく
・穏やかな口調で声をかける
【精神障がいのある方】
統合失調症、そううつ病、うつ病、てんかん、アルコール中毒などの様々な精神疾患によって日常生活や社会生活のしづらさがあります。適切な治療・服薬と周囲の配慮があれば症状をコントロールできるため、大半の方は地域で安定した生活を送られています。
(主な特徴)
・ストレスに弱く、疲れやすく、対人関係やコミュニケーションが苦手な方が多い
・外見からは分かりにくく、障がいについて理解されずに孤立している方もいる
・精神障がいに対する社会の無理解から、病気のことを他人に知られたくないと思っている方も多い
・周囲の言動を被害的に受け止め、恐怖感を持ってしまう方もいる
・学生時代の発病や長期入院の為に、社会生活に慣れていない方もいる
・気が動転して声の大きさの調整が適切にできない場合もある
・認知面の障がいのため、何度も同じ質問を繰り返したり、つじつまが合わないことを一方的に話す方もいる
(コミュニケーションにおける配慮)
・「ゆっくり」「ていねいに」「くり返し」説明 ・不安を感じさせないような穏やかな対応
【発達障がいのある方】
広汎性発達障がい(自閉症、アスペルガー症候群など)、学習障がい、注意欠陥・多動性障がいなど、脳機能の障がいであって、通常は低年齢期において症状が発現するものです。自閉症には、知的障がいを伴う場合と伴わない場合(高機能自閉症)とがあります。
(主な特徴)
・外見からは分かりにくい ・遠回しの言い方や曖昧な表現は理解しにくい
・相手の言ったことを繰り返す時は、相手が言っていることが理解できていないことが多い
・順序立てて論理的に話すことが苦手な方もいる ・関心あることばかり一方的に話す方もいる
・相手の表情・態度やその場の雰囲気を読み取ることが苦手な方もいる
・年齢相応の社会性が身についていない方もいる
(コミュニケーションにおける配慮)
・短い文章で「ゆっくり」「ていねいに」「くり返し」説明 ・抽象的な表現は用いず、できるだけ具体的に説明
【問い合わせ】福祉健康課障がい福祉係 電話 2-5570