総務課 庶務係長 大川和彦
税務課 課税係 水野滉人
東京都被災地派遣の要請があり、8月8日(水)~16日(木)の8泊9日間(東京都派遣第7陣第4班)で、岡山県倉敷市真備地区の避難所支援に行ってまいりました。
真備地区は、高梁川水系の小田川の堤防決壊による大規模な浸水害があり、派遣当日現在で3カ所の避難所に259世帯721人の方が避難しており、避難所以外にも在宅避難されている方が多数いました。
被災地の浸水域の範囲は広く、民家だけでなく、商店や公共施設も例外なく被害を受け、被災地中心部では、2階部分まで浸水した家も多く、倉敷市真備総合支所は、1階部分の天井まで浸水し、電気設備を消失したため、行政機能を十分に果たせない状態になってしまいました。
我々が派遣された二万小学校(にましょうがっこう)は、派遣当日現在、64世帯233人の避難者を受け入れており、被災地の中心部から3km以上離れた場所にあるため、学校周辺は被災していない避難所でした。
避難所は、体育館のほか教室やプールのシャワーを使い、臨時のエアコンや手作りのバリアフリー対応を行い、体育館の避難スペースは、目隠しが腰の高さほどしかなく、個人個人のプライバシーが無い反面、避難者全体のコミュニティの良さを感じることができ、避難所独特の殺伐とした雰囲気はありませんでした。
支援に来ていた自治体は、東京都のほか埼玉県(県職員+市町職員)、岡山県、中核市(旭川・函館・岡山・備前・津山・宮崎)で、発災当初は、混乱があり運営体制の構築に時間を要したものの、関係機関の協力を得て、派遣時には倉敷市の管理職による避難所リーダーが常駐し、避難所に関する案件の集約が出来ていました。
主な支援内容としては、避難所本部のサポート(データ入力や行政サービスの案内)、配食(夕食)、物資の搬入出、避難所外回り(砂埃対応・水撒き、掃除・避難所運営により発生した学校設備への対応)と個別に発生する事案で倉敷市からのオーダーが出た案件に対して支援を行うものでした。
支援活動の中で夕食の配膳を担当していたため、直接避難された方々とコミュニケーションをとる機会も多く、八丈町の名前を見て「遠くからありがとう」などと話しかけてくれる方も沢山いて、被災した方々の支援という言葉を重く感じ、どこか余計な力みがあった私たちの肩の力をほぐしてくれたように感じました。
被災から一ヶ月半が経過していても、避難所の運営には日々課題が多く、倉敷市が中核市だからとかではなく、自治体の規模によらず、どこの自治体であっても実際に起こってしまった災害に対しては、いくらマニュアルを作成していても、その通りに対応できないことが有ることを再認識しました。
そのため、八丈町においても有事に備え、防災計画や避難所運営マニュアルの見直しを随時行う必要があり、他の自治体での成功例や失敗例を教訓とし蓄積していく必要があると感じました。
また、今回の豪雨災害に際しての浸水害は、事前にハザードマップ等で被害想定区域が示されていたにも係わらず、避難が遅れた方々や残念ながら亡くなられた方がいたことは、住民の方々の意識としても、日頃からの災害に対する気構え、心構えの必要性と自分の身は自分で守り、危機意識の共有を地域ぐるみで行うという自助・共助の大切さを痛感しました。
今後、八丈町でも様々な災害に関してのハザードマップ等が示されることとなりますが、大雨(土砂災害)の場合は何所、台風の場合は何所、地震の場合は何所と簡単に判断できる方法も取り入れ、住民の皆さんに周知していく必要があると感じました。
最後に、災害が発生し、避難所での生活を余儀なくされる住民の方々には何の非も有るわけではなく、行政の立場として何を一番に考えなければならないのか、ということに改めて気づかされることが多い今回の避難所支援派遣となりました。