岩手県大船渡市で発生した林野火災において、八丈町消防本部では緊急消防援助隊の後方支援隊として令和7年3月1日~令和7年3月10日までの10日間、1隊2名にて三次派遣まで合計6名の職員が現地に派遣され、岩手県大船渡市三陸町綾里地区における火災延焼拡大箇所において、東京都大隊の後方支援活動に当たりました。
令和7年3月25日現在の被害状況は、林野被害2,900ha(消防庁発表)、その面積は八丈島の森林面積の約75%に値し、死者1名、住家102棟、住家以外108棟となっています。
【第1次派遣】2月28日~3月4日
3月1日 午前8時30分、東京都大隊第2次派遣隊(約150名)として、東海汽船芝浦ふ頭営業所で昨日に海上輸送した八丈町の緊急車両を受取り、岩手県へ出動しました。夕方17時15分に東京都大隊が宿泊地とする、岩手県気仙郡住田町社会体育館(以下は宿営地)に到着、後方支援隊としての役割分担と活動状況の確認を行いました。後方支援隊は、火災現場で活動する活動隊の支援を行うことが主な任務でした。
綾里海水浴場からの山林延焼状況
綾里地区の消火活動現場
3月2日 食事の補給支援(活動隊の活動前、活動中、活動後の準備と提供)や、東京都大隊が活動拠点とする岩手県大船渡市三陸町綾里地区(宿営地から車で約1時間)に緊急出動し、活動隊の消火活動支援を行いました。火災の範囲は想像以上に広く、ジェットシューター(水量20ℓ背負い式消火器具)を活用した消火活動は困難を極め大変な活動となりましたが、後方支援隊も活動隊の活動環境を整えるため、万全のバックアップ体制でサポートをしました。
東京都大隊における夜間の警戒活動
ジェットシューターを活用した消火活動
3月3日 現場での消火活動と並行して、鎮圧した箇所の再燃確認を行いました。八丈町の車両は特殊車両ではなかったものの思いのほか機動性があり何度か緊急出動する機会もありました。夜間、東京都大隊第3・4次派遣隊と合流し深夜まで引継ぎを行いました。
3月4日 前日に東京都大隊第1・2次派遣隊の活動に対する意思や思いを引き継ぐことができたため、安心して送迎バス、東北新幹線と乗り継ぎ、ANA1895便にて帰島しました。
【第2次派遣】 3月4日~3月8日
3月4日 東京都大隊第3・4次派遣隊として東北新幹線の新花巻駅から宿営地に到着。災害現場はまだ延焼拡大している状況で、自衛隊のヘリコプターによる消火活動も続いていました。宿営地の後方支援隊としてデコンタミネーション(現場活動資機材の除染作業及び宿泊地の衛生管理)活動を実施。宿営地の駐車場に設置されたテントにて、大型発電機と高圧洗浄機、数台のジェットヒーターにより活動隊の資機材を洗浄・乾燥する作業が続きました。
除染作業場に併設している資機材乾燥スペース
3月5日、宿営地前の降雪状況
3月5日 最低気温は0℃を下回り早朝より降雪。天候による消火効果が期待されました。私たちの後方支援活動は深夜まで及び、雪や雨で衣服についた水滴が凍るような状況でした。宿営地では各自、着替えや汗拭きシートで清潔を保っていました。また、食事に関しては湯せんやお湯で食べられる食品が多く、その食事を現場隊員に配膳するのも後方支援活動の役割でした。 3月6日 前日の雪や雨により、広大に延焼した火勢は鎮圧状態。全体の活動方針は残火処理・鎮圧確認作業へと移行されていきました。私たちはこの日初めて現地を確認し、ホースの延長状況、焼け止まりの状況、消火活動隊の奮闘を目にしました。東京都大隊がこの災害で出動させた特殊車両はおよそ50台。海水をくみ上げ、およそ2km先まで送水することができる車両、無線専用車両、山道において活動資機材を搬送するオフロード車両が活躍していました。
東京都大隊
(東京消防庁/遠距離大量送水装備)
東京都大隊(東京消防庁/全地形活動車)
3月7日 気温は低いものの晴れ。前日の活動を継続して行いましたが、この日は次の東京都大隊の到着日。八丈町消防本部からも2名が23時頃に宿営地に到着し、引継ぎを行いました。
3月8日 午前6時に引揚げ準備。バスに乗車し新幹線で新花巻駅から東京駅へ。東京都中央区鍛冶橋訓練場にて解散。ANA1895便にて帰島。
【八丈町消防本部 第3次派遣 3月7日~3月11日】
3月7日 東京駅丸の内口に東京都大隊第6・7次派遣隊として集結。東北新幹線、送迎バスと乗り継ぎ、23時頃に宿営地に到着。3月5日と6日の降雪・雨により全体の活動方針はグリッドマップを活用した残存火源と消火の徹底。斜面での活動における安全管理の徹底。 3月8日 現場確認に出動。避難指示地域は物静かで、車窓から見る立派な杉林は、奥の奥まで延々に炭化している状況でした。夜間、ミーティングにて3月10日の東京都大隊引揚げが決定。
綾里地区山中での消火活動、鎮圧確認
綾里地区の燃えた状態の杉林
3月9日 今まで活動で使用した資機材の撤収及び資機材の除染作業。17時、大船渡市長から鎮圧報告。18時30分、宿営地にて大船渡市長と大船渡消防本部消防長代理の挨拶。鎮圧報告後、現場活動隊は少しでも残り火を消火するため、ドローンでの熱源確認、消防活動二輪車による山中の鎮圧確認を最後の最後まで行いました。
東京都大隊(東京消防庁/有線ドローン)
東京都大隊(東京消防庁/消防活動二輪車)
3月10日 午前4時に宿営地を出発。埼玉県羽生サービスエリアにて解散。
3月11日 活動車両を芝浦ふ頭に搬入、ANA1893便にて帰島。
今回の派遣はインフラ(電気、水道、循環道路)が保たれた中での活動であり、宿営地では電気も水道も携帯電話なども支障はなく使え、様々な機器に必要な電気、衛生管理を行う上で必要な水、車両が通行できる道路などが保たれていることも改めて重要な事だと感じました。また、効果的な消火活動を行うために、情報収集活動や後方支援活動の重要性も再認識し、今回経験した事を八丈町での災害活動に今後生かしていきたい。
最後に、道中、故郷を思う何名もの方々に、激励のお声がけやお見送りを頂き、また、地元住民、消防団の方々より多大なお心遣いを毎日のように頂き、私共の活動の支えになりました事、心より感謝申し上げます。
令和7年3月25日
八丈第1次派遣隊 玉置 大海 消防司令補
後関 好佑 消防士長
八丈第2次派遣隊 塩崎 昌孝 消防司令補
笹本 拓夢 消防副士長
八丈第3次派遣隊 井ノ口 義二 消防司令補
吉澤 尚孝 消防副士長 計 6名